アレクセイと泉

15日 恵比寿のTOMMORROWLANDにて「アレクセイと泉」の上映会に行ってきました。主催は女優の木内みどりさん。木内さんの挨拶と、監督からのメッセージの後、上映が始まった。チェルノブイリの事故の後、政府から移住勧告が出された土地に残り、暮らしている老人たちと、ひとりの若者。洗濯機があるわけでも、電子レンジがあるわけでもない生活をしている人たちの土地が、原発事故のために、放射能だらけであるという事実。ジャガイモ畑からも、キノコからも森からも、放射線が検出されているというのに、そこにある泉の水からは検出されない、という不思議。みんなはその泉に十字架を立て、祈り、毎日水を汲んでいる。ブリューゲルを思わせる雪景色。その暮らしぶりは、過酷だけれど平和。たんたんとめぐる季節。おばあちゃん達は、みんなマトリョーシカみたいで、かわいい。自給自足。働くことが生きること。老夫婦の些細な会話。馬やカエルに話しかけるアレクセイ。そこには自然と共に暮らす、人間の本来の姿があった。あまりにも、のどかで幸せそうに見えるから、そこに横たわる、大きな悲しみがあることを、忘れてしまいそうになる。放射能は見えないのだ。

上映後、スタッフさん紹介ののち、懇親会でワインと軽食がふるまわれた。テレビや雑誌で見たことのある人たちが、ちらほらいて、ちょっとびっくり。署名も集められていた。反原発の動きが、いろんなかたちで、どんどん広がっていることを実感しました。

タルコフスキーを久々に。

学生の時、映画研究会なるものに入り浸っていて、そこでは、やっぱタルコフスキーは観るべきでしょ的な空気があって、小さい劇場に観に行ったりしたのに、なんとなくの余韻しか覚えてないのは、たぶん半分寝てたんだと思う。今になって、ちゃんと観たいけど、なかなかレンタルもないしねぇと言ったら、Kさんが「ノスタルジア」と「惑星ソラリス」を送ってくれた。今観ると、いいですね。「ノスタルジア」はロングな絵画、そして詩。水。火。空気が湿っていて、いつまでも乾かないような、滴るような、そんな湿度。夢で見ているような映像。陰や光、構図のすみずみまで、いちいち絵のようです。深い。
「惑星ソラリス」もまた、海です。水です。浮遊です。常に不穏な空気がズーンと漂います。シュレディンガーの「精神と物質」という本を、昔、読んだのを思い出した。哲学的な物理学的なそれ。もしかしてこの地球でも、見たいものを、自分の世界に、自分で作り出してるのかもしれない。意識的に、また無意識的に。脳内の世界が、自分の現実に投影されるとしたら、わたしは何を呼び出すのでしょうか。タルコフスキーは雨の日にでも、また観ようと思います。Kさんありがとう。感謝です!

メアリー・ブレア展

銀座三越での「メアリー・ブレア展」最終日にすべり込み。もう、かわいい!うまい!きれい!たのしい!自分的にはコラージュの厚塗りタブロー風のは、いまいちだったけど、スケッチや、ディズニーの仕事のコンセプトアートや絵本は、素晴らしかった。母の目線での作品作りは、共感するし、こういうポジティブさを、保っていられたらいいなぁ。スコーンとした明るさとか、サササーっと描いちゃう筆使いとか、すごく勉強になった。見ているだけでワクワクしちゃう。好きな絵を選んで、模写してみたら、なにか掴めるかもしれない、などなど、考えているなう。

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