虹を見た。

今日、虹を見た。北東から南西の空にかかる、大きな虹だった。
なんだか昇っていけそうな橋が、空にくっきりと架かっていた。
魂は、虹を昇って天に帰るのだと、何かの本が、言っていたっけな。
北の空は、白い波の立つ、逆さにした海のようだった。
私たちは、ベランダに出て、虹が消えるまで、見ていた。
現実は、美しいものだった。空があり、虹があり、
空気は雨で濡れていて、ピンクがかっていた。
涼しい夕暮れだった。
みんなに見せたいと思った。
これを見ている人は、どれくらいいただろうか。

7月のメモ

思い出せば、父のことがいよいよ心配になり出してから、
家で、映画をいろいろ観るようになった。
こんなときは、何かに夢中になったほうが、少しはいいだろうと、
意識的に思っていたのを思い出す。
父が旅立ってから、あまり食欲がなくなって、食べなくても平気だったが、
このごろ食欲が戻ってきた。
ぜんぜん吸わないのに、タバコを急に吸いたくなり、
わざわざ買いに行ったりもした。
一度寝て、夜中に起きることが多い。
日めくりは22日のまま。なんだかめくる気がしない。
絵は全然だ。描きたい気持ちは、自然とやってくるだろう。
今だよ、今なんだよ、という声が聞こえる。
何かが変わろうとしているのだろうか。
あの日の昼間は、映画バグダッドカフェのCalling youを聴いていた。
それは change is coming…と歌っていた。
家族や、自分の心持や、自分を取り巻いているものの
バランスが、変わってゆくのだろうか。

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