切り絵と鹿鳴館

長いこと日本画をやっている母が、最近になって切り絵を習い始めた。
その会のグループ展に、初出品するというので、見に行ったら、当番でいた母が「体験コーナーでひとつやっていきなさいよー」というのでおばちゃまや、おばあちゃまに混ざって、切り絵を体験してきた。来年の干支のトラを選び、図柄の通りにスイスイ切ってゆく。おー、なかなか、たのしーぞ〜。80半ばの母の小学校時代の先生もいらした。杖はついていても、とてもしゃっきり話される。伯母もお友達も80代。人生の大先輩たちとのランチは、なんかこう、感慨深いものがあったな〜。お話を聞いているうちに、わたしはなんだか、ひよっ子みたいな気分になった。

夜は、ひよっ子から母になり(とはいえ四季劇場へ行き慣れた娘のあとをついていく頼りない母だけど)学校帰りの娘と待ち合わせて、頂いたチケットで劇団四季の「鹿鳴館」を見に自由劇場へ。歌やダンスのない、演劇を見るのは久しぶりだ。台詞が、まさしく文学でありました。三島由紀夫作品です。バレエとかミュージカルばっかり観てるので、少ない動きと台詞だけで舞台に引き込むのは大変なことだろう、なんて思っちゃう。演劇は観る方にも集中力と想像力を要するものだ。だけどそういう一種の緊張感も、けっこう心地良かったりする。2幕の終盤でデジャブが起きた。原作を読んだこともないのに。なんで?
「明治時代のことをもっと知りたいのに、日本史の授業は平安時代からいっこうに進まない」と嘆いていた娘は、どうやら明治の文化が好きらしい。わたしの知識はしょぼいので、鹿鳴館の歴史的背景を今度ちゃんと調べてみましょうね〜。

香りと記憶

毎朝、掃除が終わってから、時間のある時は、お香を焚きます。
いつもはアジアン雑貨のお店で、買ってきたりしていたけど、先日京都の帰りがけに、ちょうどきらしてしまっていたのを思い出し、駅のお土産屋さんで、お香をひとつ買ってみました。やっぱり、京都のは、なんかちが~う。
煙たさが全然なくて、香りが立っているっていうか、濃~く香って、焚き終わりが、おだやかにほんわり。このお香を焚くと京都御所の玉砂利を、ざくざく歩いた記憶が蘇ります。
御所は香っていなかったけど、なぜだかこの風景の絵が出てきちゃいます。
上品な和の香り、ということなんでしょうか。
香りは記憶と結びついているものなんだなぁ。
なんだか、ほーっと落ち着きます。
そういえば、海のエジプト展の時に出したガチャガチャも、香炉だったな。
いろんな香りを試したくなってきました。

京都へ

そうだ、京都へ行こう。ということで、いきなり京都へ。
上賀茂神社、京都御所、祇園、八坂神社、鴨川沿い、などなど散歩。暑さも和らいで、山の方から涼しい風が吹いてくる、ちょうどいい気候。
なにしろ高校の修学旅行以来だし、ぶらぶら歩くのは初めてのところばっか。
京都通こだわりの店、創業540年「尾張屋」というおそば屋さんで、
お昼に、しょうがたっぷりのあんかけそばを食べたあと、
町歩きをしながら、気になっていた画廊を何件か見た。
ほー、なるほどー、バーチャルがリアルになった感じがして、ナットク。
人も多くて賑やかな街なかでも、四方に抜けがあって、視界が開けてるのと
東京に比べて、街の雑踏の音量が全体に小さいのが快適。
奥のふかーい京都のほんの一部分を、さらっとなでて、帰ってきたのでした。

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