切り絵と鹿鳴館

長いこと日本画をやっている母が、最近になって切り絵を習い始めた。
その会のグループ展に、初出品するというので、見に行ったら、当番でいた母が「体験コーナーでひとつやっていきなさいよー」というのでおばちゃまや、おばあちゃまに混ざって、切り絵を体験してきた。来年の干支のトラを選び、図柄の通りにスイスイ切ってゆく。おー、なかなか、たのしーぞ〜。80半ばの母の小学校時代の先生もいらした。杖はついていても、とてもしゃっきり話される。伯母もお友達も80代。人生の大先輩たちとのランチは、なんかこう、感慨深いものがあったな〜。お話を聞いているうちに、わたしはなんだか、ひよっ子みたいな気分になった。

夜は、ひよっ子から母になり(とはいえ四季劇場へ行き慣れた娘のあとをついていく頼りない母だけど)学校帰りの娘と待ち合わせて、頂いたチケットで劇団四季の「鹿鳴館」を見に自由劇場へ。歌やダンスのない、演劇を見るのは久しぶりだ。台詞が、まさしく文学でありました。三島由紀夫作品です。バレエとかミュージカルばっかり観てるので、少ない動きと台詞だけで舞台に引き込むのは大変なことだろう、なんて思っちゃう。演劇は観る方にも集中力と想像力を要するものだ。だけどそういう一種の緊張感も、けっこう心地良かったりする。2幕の終盤でデジャブが起きた。原作を読んだこともないのに。なんで?
「明治時代のことをもっと知りたいのに、日本史の授業は平安時代からいっこうに進まない」と嘆いていた娘は、どうやら明治の文化が好きらしい。わたしの知識はしょぼいので、鹿鳴館の歴史的背景を今度ちゃんと調べてみましょうね〜。

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