バルセロナ旅行記4

4月4日
今日も11時に画廊に行くことになっていた。時間があるので通りを1ブロック遠回りしてカサ・ビセンスを通る。これもガウディの建築。直線のデザインもきれいです。前回来た時にKさんと行った画材やさんに行って、日本ではちょっと見たことのないパッケージのスケッチブックとキャンバスペーパーを買う。この辺からはディビダボ山が近くに見える。画廊にはすでにアナも来ていた。さて、オフィスでルーカスと三人で次の契約について話す。カテドラルの美術館はとても良かったけど、新たな契約はできないと結果的にはお断りした。ルーカスは「今回はダメでも、今後やってもいいと思った時はいつでも電話してくれ」と言う。そして、「あなたの絵を僕の家に1つ欲しい」と言って、オフィスを出て絵の前に行き、「これがいい!部屋は絵でいっぱいだから小さいのがいいんだ。」といって小さい作品を選び、壁からはずした。オフィスにもどってペンを出し、「ハイ、サインして!」と言う。キャンバスの裏に、ルーカスへユウコより・・・アナが耳元でコンカリーニョ(愛をこめて)というので、そう書いた。予想外の展開。アナは自分の作品のポスターに私へのメッセージを書いて、くれた。私は何かをやり遂げたような気持ちになって、マリア、アナ、ルーカスに別れのあいさつをして、画廊を出る。伝えたいことは伝わったようだ。何とかしようと思えば、何とかなるものだ。この画廊は悪評もあったりする。たしかに作品の扱いはいいかげんというか煩雑で、許せない人には許せないだろう。お金を儲けるのが目的なら、あんなポンコツ車には乗っていないだろう。この画廊の経営もなかなか大変だけれど、30年も続いているから、なんとかして存続させたいんだと言うようなことを言っていた。なんかそんな感じはよくわかりました。私は満足です、と言ったらルーカスも、グラシアスと言って、少し嬉しそうな感じだった。
明日はもう日本に帰る日なので、ちょっと買い物しようと思い、歩いていたら、導かれるように、再びカテドラルに来てしまった。しばし座って眺めながら心の中でいろいろ言う。その後また同じ切手屋さん(上の写真)に出てしまう。古い切手をまた買った。カードやノートの専門店もあった。ディスプレイも店内もアンティークで素敵だったので、お店の人に断って、写真を撮らせてもらう。今日は最後の夜なので、HOSTALが主催するシーフード料理つきサグラダファミリア夜景ツアーに参加。HOSTALのご夫妻と宿泊のお客さんとで、たっぷりシーフードを食べて、シャンパンと白ワインを楽しむ。オーナーやみなさんと話ができて楽しかった。また、どこにいるのかわからなくなる。同じところを選んで、遠くから来ている皆さんだという共通項があるだけで、初対面でもなんだかほっとするものだ。大阪から来た女の子も一人旅だったので、隣でいろいろお話。カサミラの屋上から南に海、北に山が見えたよ。なんて言っちゃったけど、後で思い出したら海が見えるのはグエル公園です。記憶が混ざってつい間違ったこと言っちゃっいました!夕食後レストランを出てちょっと歩くと、サグラダファミリアが、ばーん。夜景もまた神秘的な趣があって、素晴らしい。昔は完成までにあと100年とか言われていたけど、最近は観光客のおかげで資金が集まり、もう少し早く完成するのではないかと言われているそうだ。でも観光客を入れないで工事ができればもっと早くできるのに、というジレンマもあるらしい。ご一緒したみなさんと記念撮影!

バルセロナ旅行記2

4月2日
朝、向かいにあるカフェで朝食。このHOSTALには、指定のカフェでの朝食券がついているので、それを店の人に渡すだけ。これ、すごーく助かりました!カフェのおばちゃんは声が大きく、時々歌など歌ったりして朝から元気。風邪気味のまま来てしまったけど、なんかこっちまで元気になりそう。天気が良いので散歩してみることに。
カサ・ミラからグラシア通りへ出る。ここは前回、何度も通った道だ。ブランドショップが立ち並ぶ、銀座通りみたいな感じかな。ひたすら歩き、カタルーニャ広場を横切り、ゴシック地区まで来る。荘厳なカテドラルは工事中だった。観光客でいっぱい。ここは11年ぶりだ。懐かしい思い出が蘇る。モンカダ通りまで出て、ピカソ美術館に入る。朝から結構並んでいて、日本人の団体さんも来ていて、館内はかなり賑やかだった。日本ではあまり見ることのできないピカソの作品をたっぷり観た。ああ、この人はやっぱり、考えずにただ本能で描いているようだ。迷いは感じられない。青の時代にさえ、苦悩よりも情熱が感じられた。ちょうどお昼になったので、向かいのEL XANPANYET でちょっとひといき。タパスを3種類、コレとコレと指差し注文。ここはガイドブックに載っている有名店だ。上の写真のカウンターのおじちゃんも何かで見たことあるお顔。お料理もシャンパンも美味しかった。趣のある路地を抜けて、ランブラス通りへ出る途中に渋い切手とコインの店を発見!切手集めをしている娘にお土産を買う。安くてびっくり。ランブラス通りの花屋さんはお花でいっぱいだった。春に来たことはなかったので、こんなに花がいっぱいなのは初めて。家族と電話しながら歩く。なんだか遠くへ来た気がしない。市場を通って駅まで。メトロに乗って、カタルーニャ美術館へ。ここはすごいスケールで、展示の量もすごく多くて見ごたえがある。キリスト教徒じゃないから宗教的展示物を知識で理解できるわけではないが、人間の精神の歴史、というか魂の土台のようなものを感じた。神様がいっぱい。なぜだか、もう何にもコワくないと思った。外のカフェで休憩しながら、日本からテレビ電話。バルセロナの街がぐるっと見渡せるこの高台から、家族とテレビ電話できるなんて、おもしろーい!みんなにもこの高台の風景をリアルタイムで送ることができた。ちょっと前からしたら信じられないけど、うれしい技術の進歩です。4時近くなったので、メトロに乗って宿に戻り、ちょっと一息ついてから作品を持って、6時には着くように画廊へ向かう。画廊では展示作業の真っ最中で、アシスタントはマリアさんという人に代わっていた。マリアと展示の仕方などを相談してたら、ディレクターのルーカスがオフィスから出てきてシャンパンを開け、そこにいたみんなで乾杯。
写真は私と同じスペースで展示するマドリッドから来た彫刻家のアナさんと、搬入を手伝いに来たアントニオさん。いつのまにか作業はおしまいになっていて、今日はもう8時過ぎてしまったから、また明日の朝、11時に来て、確認してくださいと言われて帰る。今日は歩き疲れた・・・スーパーでこんなものを買い込んで部屋でゆっくりする。シャンパンの効果もあってか、なんだか今日は全てがとてもいい感じに終わった。明日はルーカスとアナとマリアと一緒にカテドラルの隣の美術館を見に行くことになった。心して、物事の流れに身を任せてみようと思う。

バルセロナ旅行記1 到着

展覧会のために、再びバルセロナへ。2年間の画廊との契約期間が終了するので、これが最後の展示になる、ということと、前回からなんとなーくモヤモヤしていた気分に決着をつけたくて、どうしても行かなければ・・・と思い4泊5日のタイトな旅をしてきた。前回の旅で、「あーこの場面をもう一度やりなおせたら・・・」と思うところが沢山あったので、そのやり直しと、自分自身に対する問いの答えを見つけたい、という思いがあった。で、結局、今回も一人旅をしてきたのだった。
スケジュールがなかなかはっきりしなかったので、ぎりぎりになってから格安航空券を探したら、ちょうどいいのがエールフランス、パリ経由しかなかった。シャルル ドゴール空港は前回の帰りに予定外で経由した場所だったので、ちょっとわかる。今回は初めからエールフランスで行くことに。

4月1日
約11時間のフライトでパリへ。飛行機降りたら、なんかいい香りがする。パリの空気?免税店の香水?春の香り?見覚えのある場所をぷらぷらしていたら、乗り換えの便の搭乗が始まっている。あれれ?おっと、そうかこっちはもうサマータイムになっているんだ!それに気づかなかったら危うく乗り遅れるところだった。パリからバルセロナまでは1時間半くらい。
ピレネー山脈を越えて、夕日に向かって高度を下げ始める。海岸線の街並みが見え始める。今やバルセロナのシンボリックな建造物、トーレアクバルの向こうのほうにサグラダファミリアがあり、街並みの向こうにはディビダボ山が見える。ああ、また来てしまった。。。この小さくて紅い街。ヨーロッパは広いのになぜかここにばかり来てる。思い出だらけのバルセロナ。。。不思議な気持ちになった。
タクシーでHOSTALへ。建物にある住民と共用のエレベーターはアンティークで、ヨーロピアン。同じように手動で開け閉めする、古いエレベーターのある、いつも個展をやる場所、銀座の奥野ビルを思い出した。今回は日本人のご夫妻が経営しているHOSTALだったので、安心して滞在できそうだ。チェックインを済ませたら夜の9時をまわっていて、隣のスーパーは閉まっているみたいだったので、オーナーのご主人に近くのガソリンスタンド内にあるコンビニを教えてもらい、飲み物や箱ティッシュなどを買う。ベッドと机と洗面台のシンプルな部屋。キメの細かい用具が調えられていて、快適。勉強部屋みたいで、なんだかほっと落ち着ける。
額なしで飾れる小さい作品をスーツケースに入れて持ってきたので、床に並べて確認。旧作だけれど、10点持ってきた。旅の細かい日程は立てていないが、明日はこれをもって画廊へ行かなくちゃ。

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