2回目が大事

少しゆっくりな朝。きのう仏師殿からご案内を頂いたので、ちょうどこの日が初日の「宗教美術展」へ。会場に入ったとたんに木の香りがして、なんだかそのオーラ漂う空気感に、始終、ぞわぞわーっとしてしまった。初日ということで盛況。みな食い入るように熱心に、そして静かに仏像を見ている。千手観音さまにしばし釘付け。木そのものに宿るエネルギー、手の中のひとつひとつ、穏やかなお顔、頭の上の更なるお顔、台座の蓮の花には色。目新しさや斬新さとは正反対の世界。お教室の生徒さんらしき作品から、お師匠さんの作品まで、ずらりと見応えがあった。卓越したものほど、作者の自我のようなものが見えなくなっている。仏さまなんだし、作る人のエゴが見えちゃダメなんだろうな。まさに職人技。これを作るのは「祈り」なのであって、出来上がったものは「救い」として、存在するのだな、と感じた。このぞわぞわ感は、そういうものなのだろうと思った。たいへん美しいものを見せて頂いた。
そしてギャラリーへ。土曜日ということで、この日も、ツイッターを見て来て下さった方がいた。あとでわかって、ごあいさつできなかった方々ごめんなさい。そして、着物の絵付けをされている、あるお方は、武蔵美の先輩であるという。京都というところは、街なかで「先生!」と呼べば10人が振り向くような場所、憧れて京都に移り住んで40年になるが、本当の京都を知ったら大変ですよ。2回目が大事なんです。また来て下さいね。と言われ、身の引き締まる思いがした。夜は、ギャラリーのオーナーのおすすめのお店で、さらっとひとりご飯。またコンビニでカラーコピーして宿へ。明日で終わりということで、早めに宿へ帰ったために、電話したりツイッターしたりメールしたり、会った人たちの顔が、ふぁーっと浮かんで来たり。もう、みんなみんな、優しいじゃないか!なんだか、泣けてきてしょうがなかった。
うるうるうる。
京都すきだな、来て良かった! と思ったら、すでに最後の夜だったという
5日目の終わり。

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