「駒井哲郎」展

GWの終わり頃、町田市国際版画美術館で「駒井哲郎」展を観てきました。版画をやるようになってから、ずっと気になっていた美術館で、いつも良い企画をやっているのに、なかなか行く機会がなかったけど、駒井哲郎は見逃せないな…ということで、行ってきた。展示室の入り口の所に、本人が実際に使っていたプレス機が展示されていて、そこで銅版画の制作実演をやっていた。プレス機は小さくて、コンパクトだった。これくらいなら家に置けそうだなーと思いつつ、実演をあとに展示室へ。作品は、だいたい、どれも小さかった。一番好きなのは「束の間の幻影」↓版画に関心を持ち始めた頃、初めてこれを見た時に、わア!と思って、ますます版画をやってみたくなったのだった。今回はそれの、いくつかのパターン違いが観れてよかった。展示をずーっと観て行くと、技法も作風も様々で、こだわりや、力みがない。自分のスタイルって、何なのだろう?とちょっと悩んでいたので、時にはクレーのように、他の誰かのように、こんなのやってみました風に、作品を作っていたのがわかる。なんか自由だなぁ、と思ったのでした。本当は「自分流」みたいなものに、縛られる必要なんかなくて、やりたいようにやればいいんだなと、そうしていくうちに、きっと見えてくるものがあるんだ、と。そんなことを、教えられた気がした。美術館からの、帰りの昇り坂はきつかったけど、なんだか、ふっとした開放感を味わうことができて、とても良かった。はやく自分も銅板に、何か描きたくなったのでした。むずむず。

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