バルセロナ旅行記5  シッチェス そして帰国

4月5日
朝食カフェのおばちゃんは今日も元気。グラシアス、と言ってお店を出ようとしたら、アディオス、ボニータ!って大きな声で言うからアディオース!とテンションあげて最後のあいさつ。その後宿に戻ってチェックアウト。オーナーのご主人は昔お世話になった会社の人に似ているのだった。飛行機は夜の8時半なので、宿で荷物を預かってもらって、シッチェスに行くことにした。
メトロからセルカニアスという鉄道に乗り換えて、海沿いのリゾート地、シッチェスへ。ここはゲイと芸術の街。距離でいえば東京から湘南に行くような感じ。ここに別荘を持つのがステイタスとも言われているところだ。駅を降りると潮の香りが。シッチェスは、2年前にバルセロナの画廊めぐりをしていて、そこのお姉さんと話している時に、シッチェスにうちの画廊の本拠地があって、アートフェアをやっているから、見に行ったら?と言われたことがあって、興味を持ったのだった。青い地中海の海岸に白い街並み。子供の頃から夢みていたような風景だ。なんだか現実じゃないみたいで、ぼーっとしてしまう。海辺の教会では結婚式が行われていて、鐘が鳴っている。浜辺ではモトクロスの大会をやっていて、すごいエンジンの音とアナウンスとで賑やかで、浜辺でのんびり、というわけにはいかなかった。画廊を何件か見て歩いてみた。あの時のバルセロナの画廊もあった。ルシニョール美術館と、カフェラット美術館を観る。上の写真はカフェラット美術館内部。マリセル美術館に入ろうとしたら、もうすぐシエスタで閉まっちゃうからゆっくり観たいなら、また後で来たほうがいいと言うのでやめて、海を見ながら教会の脇の石のベンチに座って休む。隣ではギターを弾いている人がいて、ちょうどいいBGMだ。お金を入れるところはあるのかな?と見てみたけど、何も置いてない。練習してるみたいだ。歌もギターも練習っぽいがけっこう心地いいので、しばらく座ってギターを聴きながら海を眺める。父は海が大好きだった。お父さん、地中海に来たよ。
日本の海とも南国の海とも違う、軽くて深くて遠い青色だ。海はキラキラと光り、太陽も夏のように照りだした。しばらくしてギターの人は片付けて帰っていった。振り向きざまに私を見たので、お互いほぼ同時に手を振る。ありがとね。
美術館が開くのを待っていたら、飛行機に間に合わなくなるので、それはあきらめて駅へ向かう。お店も昼休みのところが多い。窓口でパセチデグラシアまで、と言って切符を買おうとしたら、「フリー」とタダチケットみたいのをくれた。何でタダなんだろう?20分くらい待って電車が来た。海沿いを走る。帰りの方が時間がかかった。のんびりなので、みんな眠そう。私も眠い。ダメダメ眠っちゃダメ とガムを噛みながらがんばる。40分くらいかかって地下鉄との連絡駅に着いた。そこから地下鉄に乗ってHOSTALに預かってもらっている荷物を取りに帰る。この宿は駅の出口を出たらすぐなので、とっても便利なのだった。HOSTAL HILLのフロントもお昼休み。カギをボックスに返して荷物を持って帰り支度。短い間だったけど安心できて、快適な滞在ができた。精神的に安心できるというのが一人旅の私にはメリットだったみたい。ここならみんなも連れてこられそう。宿にさよならして、アンティークなエレベーターもちょっと名残惜しみながら、通りへ出て、タクシーで空港へ。
エールフランスのカウンターではいちいち、マダーム?と言われるので、慣れない私にはちょっとくすぐったい感じ。早めにチャックインを済ませて、免税店などを見て回る。8時を過ぎてもまだ明るくて1日が長い。シエスタが必要なのもわかるなぁ。バルセロナ空港は、まっすぐな造りでサインもわかりやすいのです。飛行機はパリまで順調に飛び、乗り換えもスムーズ。シャルルドゴール空港には何か縁のようなものを感じてしまうよ。パリから成田までは30分も早く着いた。全部がうまくいったみたいだ。初めから終わりまで、後悔や気になることは何もない。この年になってもまだまだ学べることが沢山あるものだ。協力してくれた夫に感謝。家族に感謝。なんとも言いがたい満足感にひたりながら、バスに乗って家路に着いた。みんなほんとにありがとう。。。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

error: Content is protected !!