7月のメモ

思い出せば、父のことがいよいよ心配になり出してから、
家で、映画をいろいろ観るようになった。
こんなときは、何かに夢中になったほうが、少しはいいだろうと、
意識的に思っていたのを思い出す。
父が旅立ってから、あまり食欲がなくなって、食べなくても平気だったが、
このごろ食欲が戻ってきた。
ぜんぜん吸わないのに、タバコを急に吸いたくなり、
わざわざ買いに行ったりもした。
一度寝て、夜中に起きることが多い。
日めくりは22日のまま。なんだかめくる気がしない。
絵は全然だ。描きたい気持ちは、自然とやってくるだろう。
今だよ、今なんだよ、という声が聞こえる。
何かが変わろうとしているのだろうか。
あの日の昼間は、映画バグダッドカフェのCalling youを聴いていた。
それは change is coming…と歌っていた。
家族や、自分の心持や、自分を取り巻いているものの
バランスが、変わってゆくのだろうか。

6月のメモ

何か確実に良いもの。まあるい水晶玉のような、クリアな、美しい何か。
そんなものが、私の胸の中に、ぐぐっと入ってきて、しかるべきところに
収まったような気がした。
温かく、優しく、正しく、それは 私の中に収まった。

父の素晴らしさ、温かさ、忍耐強さ、多くの人に慕われたこと、
どんな人にも、わけ隔てなく、平らで、優しく接してきた父の人柄を、
葬儀に来てくれた人たちの 涙を見て、あらためて感じた。
多くのことが、胸に迫ってきた。
みんな泣いていた。
自分が知らなかった、父の姿が、泣いている人たちを通して、見えた。
私はそのことに、驚いてしまい、さらに涙が止まらなかった。

生きている上で、何が本当に大事なのかということが、わかったような気がする。
すべては思い出になってゆく。。。良い思い出に。
心に何かを残すこと。小さなことでもいい。それが大事。
人の心になにか、ひとつ、良いもののかけらを
残すことができたから、あれだけの人が、来てくれたんだろう。
本当に家族思いの父だった。でも、それだけではなかったんだ。
すごかった。尊敬しました。本当に・・・

悲しみや、寂しさや、後悔が、混ざり合って、暗闇に落ち込んでゆく暇もなく
感謝の気持ちと、尊敬の念が湧き上がってきて、
何かとても、素晴らしい というような思いがしていた。
こんな思いをするなんて・・・思ってもみないことだった。

6月

父が入院し、毎日病院に通っている。
あまり いろいろ考えたくないので、何も書けないし、描けない。

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